転職失敗→半年で会社辞めた31歳ダメ人間の徒然。

某大手IT企業を8ヶ月で辞めて無職になった男に明日はあるのか。

うまくいった仕事を振り返る。

長期出張が終わり帰国した。

 

今回は事業の状況が極めて悪かったため、仕事の密度も高く、かなりしんどい3ヶ月だったが、社会人人生10数年の中でも、最も成果を出せたんじゃないかと思う。

 

いや、まだ売上としての成果が出ていないのであまり図に乗るのも如何なものかとは思うが、

 

●事業の業績が急落しており、

●会社として原因が全く見えず、

●施策の決定や取引先の要望への対応を何ヶ月も先送りにして、取引先の信用を完全に失い、

●本社のマネジメントが全く機能していない

●現場に実行力が無い

といった状況の中で、

 

 

→業績急落の原因を浮き彫りにし、

→それを解決するための戦略と具体的行動計画を立案し、

→社内の意思決定スピードを2日以内まで速め、

→最重要取引先との関係回復の目処をつけ、

現地法人の業務管理スキームを導入し、現場が何をやるべきか理解し、マネジメントできる仕組みを整える

 

など、ほぼ全ての問題と課題について解決することができた。

しかも、いずれも会社が2年近くどうにも出来なかった問題に対し、ごく短期間に。

 

関係最悪だった取引先や、現地法人の同僚からも、『2年間どうにも出来なかった問題が、お前が来てたった2ヶ月で全部解決した』という評価をもらった。

何よりも嬉しい言葉である。

 

せっかくうまくいった結果に対し、何が良かったのか、やったことを書き出しておきたいと思う。

 

①あらゆる商談について商談メモを残し、文書化して本社、現地法人のメンバーに共有したこと。取引先から会社への痛烈な批判なども、淡々と文字にし、記録した。

 

②自社の事業が上手くいっていない原因や、やるべきことについて、現地法人のスタッフはもちろん、販売代理店、広告代理店など、多くの関係者の意見を聞き、分析したこと。

 

定量データを定期的に取得し、分析したこと。当時私が見る限り、あらゆる分析が定性情報ばかりを元に行われており(例:競合が増えた、ユーザーの嗜好が変化した等、しかも自社で分析した意見でなく外部の代理店の意見をそのまま出すだけ)、アクセス数や単品売上情報のような数字が全く見られていなかった。

 

④わかりづらい資料やデータを、パッと見でわかるよう修正したこと。前職でも感じたことだが、体裁ばかり立派で言いたいことが意味不明な資料が横行している事業は大体上手くいっていない。

 

これらにより、業績不振の原因と今後何をしていくべきかを明確にすることができた。しかし、戦略が正しかったとしても、大事なのはそれがしっかりと正しく実行されるかである。

そこで、下記を導入した。

 

⑤本社と現地法人の現場担当と管理職含め、定例会議を設定したこと。月例会議で前月までにやってきたことの振り返りと戦略方向性の確認、週例会議で各業務の細かいリストアップとプロセス&進捗管理を実施。

驚くべきことに、本事業においては半年以上これらの振り返りあるいは業務進捗の確認を目的とした会議は行われていなかった。現場の営業担当が、本社側責任者の顔を半年以上見ていない、という有様だった。

 

⑥上記や商談メモの中で、あらゆる業務や取引先からの要望について、『誰が』『何を』『いつまでに』やるのかを明確にした。

これも私が見る限り、当時あらゆる業務において指示が曖昧で『結局誰が手を動かすのか、誰がやるか』が明確でなく、宙に浮いていた。

これはマネジメントが明らかに悪い。

 

『お客様視点で仕事をする』

『当事者意識を持って業務をする』

『売上最優先』

 

…こんなことをドヤ顔で言われて、あとは自分達で考えろなどというのはマネジメントを放棄しているのに近い。明確な行動プランが伴わない戦略など存在する意味がない。

 

⑦とにかくまずは判断のテーブルに上げること。明確な判断を下させること。

これも当時、マネジメント側が明確な戦略や判断基準を持たない為、極論『現場でよしなにせよ。ただし損失は認めない』『(具体的な指摘なく)内容が分からないから説明資料を作れ』といったような場当たり的な指示が繰り返され、販促施策から顧客の要望対応まで、驚くほど多くの案件が本社判断待ちで数ヶ月止まっていた。

当然ながら取引先も怒るし、そんな会社と商売は続けられないと、会社自体見限られつつあった。それに対し、まずはそれらを判断のテーブルにあげ、論点を明確にし、判断をさせること。それを迅速に行うことを促していった。

 

…書き出してみるとほんの数百文字、しかも当たり前のことだが、入社数ヶ月の立場でここまで持ってくるのは本当にしんどかった…。

過去のやり方を思いっきり否定せざるを得ない点もあり。正しいことを主張すれば当然のように動いてもらえるわけもなく、それ以前に信用もクソも無い中途入社3ヶ月の自分が、どうすれば上司も含めて関係者を動かせるかも考えなければならなかったから。

 

上司を飛ばして、会社のトップを動かさざるを得ないこともあった。当然上司の不興買って干されるリスクもあったが、『プロとして成果を出すことを最優先に行動すべき』という信念のもと行動した。

 

結果として自分の描いたビジョンが全社戦略として採用され、なんとか思い通りに動き始めた。

 

業績が不自然なほど落ちている時は、必ず理由がある。特に、当たり前にやるべきことが全く出来ていない、というのがよくわかった。自分が現場に赴く前は、会社のそれなりの立場の方々が、こぞって『どうして売上が下がっているのか全くわからない』と口を揃え、あれだけ多くのことができていないにも関わらず、『業績不振は外部要因が8割』などと言っていたのだから。

これは大きな学びだった。

 

大きな戦略は固まったが、ここからしっかりと実行していくことはまだまだ大きな課題である。

「こうすれば成果が出る」というのが未知数の点も多い。

それらについてはしっかりとPDCAを回してやるべきことを見定めなければならない。

 

悩みも多いが、この仕事が自分にとっての大きなターニングポイントになるような気もしている。頑張りたい。