転職失敗→半年で会社辞めた31歳ダメ人間の徒然。

某大手IT企業を8ヶ月で辞めて無職になった男に明日はあるのか。

危機感。

配属されてちょうど2か月。


担当国の事業の状況が大体把握できてきた。
正直、思った以上にまずい状況である。。。

 

まもなく現地に赴任し、より具体的に現状が把握できると思うが、
客観的に感じられる現状のまずい点を記載しておこうと思う。

 

 

【本社側の問題】
・本社と当該国の支店の間でのコミュニケーションが全く取れていない
→本社にビジネスレベルで当該国の言語を使えない人材がいないことが原因。
→支店には日本語が使える人材がいるにはいるが、それに安心して現場から上がってくる情報をほぼ鵜吞みにしているし、一方で日本語ができないスタッフから上がってくる情報がほぼ耳に入っていない。
・上記のような状況だから、支店側が極めてずさんな販促への投資をしていたのに気づかない、指摘できていなかった
・本社が最終的な決定権を持つはずなのに、リーダーシップが全く取れていない。支店に自分たちに権限を完全によこせと言われる始末。
・支店側に対し、「あいつらはバカで能力が足りない」という認識。それを指導管理できていなかった責任を感じているのか。

 

【支店側の問題】
・数字の感覚がまるでない。例えば、販促費を●●ドル使いたいです、という承認を取りに来るときに、それによって「いくら儲かるか」という視点が全くない。
・そのため、支店側が出してくる当該国の戦略を聞いても、その中に販売計画、PL計画が一切入っていない。
・本社側に対して承認を求めるも、上記の理由等含め、その内容が承認の判断をできるレベルに達していない。
・それについて自分たちの力不足の自覚がない。ただ本社の判断が遅いと思っている。
・予算は無限に本社が出してくれるものだと思っている。
・戦略の立案や施策の効果分析など、業務の重要な箇所がほぼ全て代理店任せ。
・「これが我々の来期の戦略です」と、広告代理店が作ったバカ高い見積もりと資料をそのまま自信満々に出してくるマインド。
・自分で費用対効果を考えないから、代理店が出してきた見積もりをそのまま採用。効果がでない高額の施策を延々続けていた。(さすがに私が気づいた時点ですぐ止めた…)

マーケティング戦略を敷くうえで当然取るべきデータを取っていない。当然分析もしていない。
・施策の分析や振り返りをしないせいで自分たちの頭の中が整理できていない。
・だから数字を以てやるべきやらないべきが判断できない。
・支店の代表の位置にある人物が上記のマインドかつ事業全体を把握できていない。そして難しい問題への判断と責任を本社に転嫁しようとする。

・業績悪化の原因=競合が大量の販促資金を投入しているから、程度の分析しかできない。
・現場を見ていない。実際の消費者の声を聴いていない。市場の必要な情報をタイムリーに本社に報告できない。結果それを踏まえたアクションプランが自分たちで立てられない。代理店任せ。現地に支店がある意味がない。すべて現地代理店にまかせればいいではないか。
・結局誰も自分が当事者だと思っていないのではないか。

 

【総じて思うこと】
・事業の業績悪化、慢性赤字には必ず理由がある。
・この事業も赴任当初は何故業績が下落したのかわからない、おそらく外部要因(競合増加)のせいだと言われていた。しかし中に入ってみてみると、次から次へと問題が見つかってきた。
・マーケターや営業はビジネスは伸びている間は大して実力は問われない。語学力がなくても、マーケティング戦略など考えなくても、回っていくようである。結局商品をとにかく納品すればいいのだから。・ただし、競争が激しくなるなど、環境が変化した時に一気に崩れる。
・特に自社の強みや顧客分析(誰が、なぜ買っているか)、売上につながる方程式など、伸びの原因が把握できていないとまずい。
・上記が見えていないと売り上げの下落に全く対処できなくなる。

・今回の事業も、ぶっちゃけ特に自分たちで市場開拓の努力をせずに、代理店や商社が努力して開拓した土台に乗っかった形だった。だから売上が落ち始めたときに適切な対処が全くできなかった。

・売上が落ち込んだところから真の実力が問われる。限られた資源で、適切な顧客に、どう刺していくか。どうすればできるだけ競合と戦わなくていいか、まさに「戦略」をフルパワーで考えていく必要がある。
・細かいデータの分析、施策への深い理解、代理店との交渉力も必要になってくる。従って語学力が求められる。
・そういう意味で、海外販売拠点は海外生産拠点と比べて相当きついと思う。そもそも商売で一番難しいのは売ることだとは思うけど…
・業績をV字回復させたような経営者はマジですごいし実力のある人だと思う。

 

 


じゃあ自分が現地に赴任して何をするのかと言えば、上記を一個ずつ改善していくことだろう。
これだけ課題があるのだ、小難しいことをしなくても全部解決するだけでも結構業績が改善するのではなかろうか(苦笑)

 

最近何度も見返していた、三枝匡さんの「V字回復の経営」から、参考にしたいと思った部分を張り付けておく。小説とはいえ、もともと著者のコンサル時代のコマツでの実際の経験をもとに書かれた本である。

実際に参考にしたい点は多かった。

 

①不振会社の社員は競合のことを知らない

②経営者(と社員)が見ているつもりの実績と実態に乖離がある。積年の大赤字を誰も認識できていないようなことが起こりうる

③他社に「反省論」を迫るときは、全て徹底的な事実・データに基づいていなければならない。確証をもって言い切れない事象、反論される要素はプレゼンに含めてはならない。

④しっかりやっているつもりの社員でも、実際の業務遂行状況を分析すると、そうなっていないことがある。

⑤行動を始めるにあたっては分析が必要。

⑥分析を進めるにはスキルも必要だが、それ以上になかなかデータが出てこなくてもあきらめず現場に突っ込む「こだわり」が必要。

⑦良い戦略は単純明快。複雑な戦略はその時点で失敗している。

 

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はっきり言って、こんな状態になっているのにまだ危機感を持っていない支店側に対して罵声の一つも浴びせたい気分である。

 

とはいえ、新参者の私が初めから「お前らはダメだ!改善してやる!」などという態度で入っていっては、そもそも受け入れて、協力してもらうことすらできないだろう。

 

あくまで現場をサポートする立場として、支持を得つつ、早急に改善を進めなければ…。


自分の社会人史上でも最も難易度の高い振る舞いが要求されそうである…。