前にも書いたけど、取引先から信頼を得るにあたって、
『約束したことは必ずやる』
これに勝るものはないとあらためて実感する。
今回の出張で元々関係が極めて微妙だった取引先の社長にすごく信用してもらえたのだが、
それは何故かと思い返して見ると、社長との打ち合わせで出てきた要望は必ず、しかもすぐに実行に移してきたということかと思う。
記憶に残っているエピソードがある。
出会って最初の日、ひと通り商談を終えた後、その社長が普段から懇意にしている日本側のパートナー商社にもぜひ一度挨拶をしてくれと言われ、私は「これまで挨拶しておらず申し訳ない、今日中にメールします」と回答し、その後遅くなりながらもその日中にメールをした。
すると後日、その社長から当日中にメールをしたことを感謝する旨の言葉を頂いた。
それを聞いて私は少し緊張した。
『その日中に』メールしたかどうか確認していたのか?私が口で述べた通りに。
社長は試していたのではないか。
私が約束を守る人間かどうかを。
本当にその日中にメールをするかどうか、この小さなやりとりの中で。
これまでも何人も弊社の営業担当者がやってきたらしいが、社長が色々な要望や不満を述べても、『それは困りますね』『わかります』『これから一緒に頑張っていきましょう』などと握手をして帰っていくばかりで、それなりの地位の管理職含め、一人として本当にそれらを実際にどうにかしようとした人間はいなかったという。
そんな口約束ばかりのやりとりに嫌気がさしていたところに、私の対応に『コイツは違う』と感じてくれたのだと。
それ以降、その社長が非常に協力的なおかげもあり、業績回復までの道のりは見えてきている。
請け負ったことに大小は関係ない。小さな約束を蔑ろにする人間は信用できない、少なくともそう判断される場面がある。そんなことを感じたのだった。