とある専門職として働いていた友人。
この道をもっと突き詰めたい!と有名な先輩のいる小規模な個人事務所に転職したが、そこがどうにも合わなかったらしい。
職場でも若手になる友人は、上司や先輩からかなり手酷い扱われ方をされていたようだ。
とても捌き切れない量の仕事を丸投げされて、どうにか頑張ってこなしても、クオリティについてボロカスに言われる。
心身ともにボロボロになり、泣きながら電話がかかってくることもしばしばあった。
自己肯定感がゼロに近くなって、もう死にたいと何度も言っていた。
おいおいちょっと待てと。そんなんならもう仕事なんか放り出して、いいから実家帰りなと。
その度に彼女はあーだこーだ言って仕事を続けていたのだが、突然辞めた。
ある日家を出たあとそのまま仕事をブッチして新幹線で2時間くらいの距離の実家に帰ったのだという。
ずっと心配していたご両親も暖かく迎えてくださったそうで、その夜の電話はプチ退職祝い会?だった。
あんなに明るい彼女の声は久しぶりに聞いた。
それからしばらく実家でのんびりしつつ、無職&求職活動をしていたのだが、この度めでたく就職先が決まり、この春から地方の小さめのテーマパークで働き始めた。
それまでやってきた専門職とは全く別の職種だが、その分とても新鮮で学びがあり、思いがけずスキルが活かせることもちょこちょこあったりするそうで、一年前のボロボロになっていた頃が嘘のように、とても生き生きと働いている。
この会社が決まるまでは前の会社でのトラウマもあるのか、どうせ自分なんかが…と自信喪失ぎみで、応募して落とされる度に凹んでいたが、今の会社の人はぜひ来て欲しいと言ってくれたそうだ。
人は環境次第で大きく変わるということを再認識したのだった。