前職の退職間際、全国の支店から1200人近くの営業を本社に集めての研修があった。
各業界から豪華なゲストを招いての講演、前日から泊まり込み、団結力を高めるための会食も催され(もちろん私は行かなかったけど)、クライマックスには社長も飛び入りで登場。
聞くところによればこの研修のために3千万円だか4千万円だかかけたらしい。
でも内容を極めて簡潔に言えば、「辞めないで」を連呼しているだけだった。
豪華ゲストの講演も「俺も新卒で入ったばかりのころは何度も辞めようと思ったが~辞めずに頑張って色々あっていまはこんなにイケイケだぜい!」
という話ばかりであった。
どんだけポンポン人が辞めてんねんこの会社は~と思った。
実際三年以内にに入った新卒の離職率が尋常でなかったらしく、とある支店に配属された新卒が半年も経たないうちに10人中8人辞め、残り2人が鬱病で休職とか、2年目が終わるまでに三分の一も残ってなかったとかいう話を聞いたので、会社としてけっこう問題になっていたのかもしれない。
当時その仕事に関わっていた私としては、離職率を下げる方法として根本的に間違っているというか、あまりにも表面的過ぎると思わんでもなかったが、その研修を企画した比較的上のレイヤーにいる人たちはその会社のカルチャーや仕事のやり方が肌に合ったから出世したのだろうし、辞めていく人がなぜ辞めようと思うのか、というところが根本的に理解できなくても仕方ないのかもしれない。
そういう意味で、離職率を下げようと努力するよりも、去る者は追わずで、会社を辞めてからも業務委託や出戻りオッケーなど、いい関係が築けるようなカルチャーを作って行った方が効率がいいんじゃないかと思った。
まあ色々大変だよね。会社もね。