当たり前の様で、忘れられがちなことかもしれない。
今日の飲み会、皆で食べ物や飲み物を持ち寄るスタイルだったのだけど、僕は迷わず自分の会社が企画制作に関わっている商品を買っていった。
だって、その商品に関わる人達・・・・それを作っているメーカーさん、商品を企画したバイヤーさん、形にしていった僕の会社の先輩方・・・・が、どれだけ思いを込めて、一生懸命作っているかを知っていたから。
自分が尊敬する人達に本当に食べてもらいたかったし、知ってもらいたかった。
『これ本当に美味しいんで、ぜひ食べて見て下さい!』
そう言えることが、どれだけ幸せなことか。
前の会社では、使っても売れないような広告やセミナーを客に売りつけていた。
やっている方も大して意味がないと思いながら、自分達ですらなあなあでやっているような勉強会にアホみたいに電話をかけて集客をしていた。
なんのために?
会社が立てた計画だから。
……。
何がお客様のためにだよ。
自分の計画が達成できればお客さんが損したっていいんじゃない。
それはお客様のためにじゃなくて株主様のためだよね。
本当に反吐が出る。
それを受け入れてしまっていた自分自身にも。
日本人なら誰もが知っている大企業ではあった。
傍から見れば華やかなキャリアだったかもしれなかった。
でも僕はあの仕事が、それを単なる数字遊びのように話す同僚が、それを変えようともしない上司が、心の底から嫌だった。
あんな所に少しでも関わってしまったのは人生の汚点だ。
今はそうとしか思えない。
成長?キャリアアップ?人材としての市場価値?
そんなチンケなものより遥かに大事なものがあると思う。
人生には。