転職失敗→半年で会社辞めた31歳ダメ人間の徒然。

某大手IT企業を8ヶ月で辞めて無職になった男に明日はあるのか。

前の会社の同僚と飲んだ。

前職を退職してから一ヶ月。

 

仲の良かった同僚と飲みに行った。

 

別人のように明るくなったと言われて複雑な思い。

まだ無職なのにね笑

あの会社でどんだけメンタルやられてたんだ自分。

 

お互いの近況から色々なことを話しながら、

最後は我が家でぶっ倒れる直前まで飲み倒して最高に楽しかった。

 

前職のことで気になった話題が2つ。

 

まず1つ目。

 

僕の担当客先を、後任で別の部署から出戻りした5年目ぐらいの先輩が引き継いだのだが、

『Shirokuma君が気の毒だ、こんな客先ばかり押し付けられて』

と言っていたそうだ。

 

実際に自分でやりながらも、これ以上売上を上げようがないんじゃないか、と思うことがあった。

前職は仕事の構造的に、予算もやる気もある『良い客先』を持つことができれば、

極端な話何も営業活動をしなくても売上が上がるし、それ以外のKPIも比較的容易に達成できる。

 

だが、その逆だと非常に苦しい状況になる。

電話するだけでも煙たがられることも多い。

 

そして、新人には多くの場合そういった客先があてがわれる。

先輩社員が『良い客先』を手放そうとしないからだ。

特に中途の場合は『即戦力』の名の下にそれが何の配慮も無く行われることになる。

(前々職ではそこで新規客先を開拓する、という手段を取ったが、前職ではそれは別の部門の仕事であり、明確に分けられていた。)

 

本来ならマネージャーが上手くバランスをとるべきなのだが、

はっきり言ってあの会社のマネジャー陣のマネジメント能力には非常に疑問がある。

何か問題があると『ウチはベンチャーだから』という言葉を持ち出し、

それを直視しない傾向があった。

というよりもマネージャー陣自身がそれを率先してやっていた傾向すらある。

 

僕としても当然そういった状況をどうにか打開しようとした。

方法は2つ。

 

①上司、先輩の力を借りて営業する。

②『良い客先』を持たせてもらう。

 

配属されて1ヶ月半ほどで結果が伴わず、まずは①を試した。

担当の中から少しでも見込みのありそうな客先を選定し、上司や先輩に提案内容を相談し、

提案書の内容を精査し、実際の営業にも同行してもらった。

だが、1つとしてそれは成約に繋がらなかった。

 

当時は成績が上がらない理由を『客先が悪いから』という原因に帰結させることはあまりにも他責な考え方すぎると考えていたため、①で成果が出なくても、②を実施する前に何とかしようともがいていた。

 

年齢問わず先輩にアドバイスを求め、業界の関連書籍を読み、過去事例を研究し、業務後に他社が開催するセミナーにも足を運んだ。終電まで残って、時には家に持ち帰り、訪問の準備をし続けることもほぼ毎日続いた。

 

置かれている状況に負けたくなかった。

自分の力で、与えられた環境を打破したかった。

これまでだってそれを成し遂げてきたのだから。

 

2ヶ月間そんな生活を続けたが、成果が出なかった。

そのうち体に異変が出始めた。

 

まず上手く眠れなくなった。

仕事で寝るのは大体深夜の2時〜3時だったが、

毎日5時には目が覚めてしまう。

 

それから、春先でしかも社内は暖房が効いているはずなのに、寒くて寒くてたまらなくなった。

ガタガタと震え、他の同僚がシャツで仕事をしている中で、僕だけ終日コートを着込んで働いていた。

 

そして食事が上手く摂取出来なくなった。

朝礼のあと気持ちが悪くなり、トイレに駆け込んで朝食べたものを吐き出す日々が続いた。

 

そこまで身を削ってやりながらも成果が出ないことで、さすがに根本的に何かが間違っていると感じ、上司に相談した。

そこで上司から言われたのは、簡潔に言えば『我慢してくれ』ということだった。

上述したように、成果が上がるかどうかは客先に8割以上左右されるから、

下期の担当客先の変更があるまで待ってくれと。

担当前に『君にはやりやすい客先を渡すから』などと言って、

結局上司から見ても②の手段しか無かったのだ。

 

自分でも出来ないことを、それまで全て僕の努力、能力、人間性の不足のように論ってきたのはどうなのかと思ったが、それ以上に②の手段を取るまで我慢する、というのが自分にとって望ましいのか否かを考えた。

そして、僕の答えは否だった。

 

体を壊す一歩手前まで追い込んで、この会社で何が実現できる?と考えた時に、そこには自分がこの会社に入る前に望んでいたもの、実現したかったことが何も無かったのだ。

そして、それでも頑張って貢献したいと思うのが難しいほど、僕は内から見たこの会社とサービスの実態に失望していた。

 

…長くなったが、冒頭の先輩の『Shirokuma君が気の毒だ』という言葉に、自分の考えや感じていたことが概ね間違っていなかったことを感じるとともに、

8ヶ月をそこで消費してしまったこと、1日でも早く決断しなかったことに、

幾分かの悔いを覚えた。

 

 

そして2つ目。

 

僕が辞めた直後にあらたに中途の人が二人ほど入ったらしいが、

すでに心折れそうになっているらしい。

 

これは何となく想像できる。

1つは、自分の仕事がお客様の役に立っていることが実感出来ないこと。

もう一つは、社内のマネジメントの問題だ。

 

まず、自分がお客様の役に立っている実感が持てない、という点について。

僕の前職の仕事は、いわゆるECコンサルタントと言うもので、自社のECモールに出店している店舗様に対し、売上向上に向けてのサポートをするというものだ。

 

 

この仕事、まだITに疎い店舗が多かった2000年代であれば、

自身のITやモールについての知識で役に立っている実感も持ちやすかったかも知れない。

しかし、今ややる気のある店舗様ほどそういった知識、経験が豊富であり、

ECコンサルタントが提供できるモノは確実に狭まってきている。

 

一例として、年に一回優秀なパフォーマンスを発揮した店舗を表彰する、

ショップ・オブ・ザ・イヤーというイベントがあり、店舗はもちろん、担当するコンサルタントにとっても非常に名誉なものなのだが、

いまや店舗が、『うちが担当のコンサルタントに取らせてやった』と豪語しているのだ。

店舗によっては、コンサルタントが大した役割を果たしていない事例では無いだろうか。

 

実際に中途だけでなく新卒ですら尋常じゃない比率で辞めたり心を病んだりしていくので(16年卒の新卒は100人中3割以上が1年未満で辞めた)、会社としても危機感は感じているのか、勉強会と称した全体向けの研修なども行っていたが、

その内容を簡潔にまとめると、『ECコンサルという仕事がどれだけ素晴らしいかを外部の人間やOBにひたすら語らせる』と言うもので、

最後は全員で『エイエイオー!』で締めるなど、かなりお寒く、ちょっと洗脳がかっていた。

 

結局、店舗のITリテラシーが上がり、競合が増えていく中で、サービスと、それに付随する体制自体が過渡期を迎えているのだろう。

そして、そうまでしてこの体制を維持しようとするのは、物凄い勢いで追随してくる競合に対して、それ以外のメリットが見出せていないから、ということが大きいのでは無いだろうか。

 

そういった状況で、状況的に必要性が少なくなってきているわけだから、

自分が役に立っている実感が持てなくなるのも当然といえる。

 

もう一つ、社内のマネジメントの問題だ。

こちらの方がより深刻だと思う。

 

前職では新人一年目であっても、プチリーダーのような形で、

各種KPIの進捗管理をそれぞれ任せることがよくある。

 

それ自体は非常に良いと思う。

早いうちからリーダーとして、全員のKPIを追う意識を身につけるのは個人の仕事にもプラスの影響を及ぼすだろう。

 

しかし、上述したように、この仕事は担当する客先によって、

同じKPIでも難易度が大きく変わってくる。

 

一部のアホの若手は、その点の配慮無く、

自分が達成しているのを良いことに、出来ていない同僚を詰めようとする。

 

僕もそれをやられたことがあり、しかもその担当が自分のKPI設定を甘くしているのに気づいていたので、相当にムカつき、一言釘を刺してやろうかと思ったが、

自分の未達成の言い訳っぽいのと、また大人げないとも思い、飲み込んだ事がある。

 

ましてその中途の方々のチームの新卒のドアホは、自分が目標を達成出来ているので勘違いしているのか、メンバーの前で公然とその人達に向けてそれをやるらしい。

 

社会人として何年もしっかりと実績とキャリアを積み上げ、

自分なりの自信を身に着けて社会の中で戦ってきた人達である。

(そうでないとそもそも中途で採用されない)

 

その人達に対し、入社して数ヶ月、客観的に見て大した実力もない人間が上から目線で詰めてくるのである。その心境は察して余りある。

また、それに対して双方になんらのフォローもしないマネージャー陣の態度には驚嘆すら覚える。

 

年齢の上下に関わらずいい仕事をしている人間は評価されるべきだし、

若くしてリーダーに抜擢される制度は素晴らしいと思う。

 

僕が前前職でマネージャーをやっていた時に、部下が年上であれ年下であれ、

どんなに腹がたっても、相手に非があったとしても、

『相手の尊厳を傷つける』言動は絶対にやってはいけないものだと自分を戒めていた。

そもそも組織の都合とめぐり合わせで上司と部下の関係となっているだけなのだ。

その立場に乗じて相手を傷つけることが許されるはずがない。

 

だからこそ、『詰める』などというのは本来やってはいけないものだ。

許されるのは、マネジメントする側が、達成に向けた適切なアドバイスをできる場合に限られるのでは無いだろうか。

 

それが出来ないのに、詰めるなどということは本来ちゃんちゃらおかしいと思っている。それはただのウザい勘違いした人であって、リーダーではない。

 

『何でできないんだ!』ではない。

『どうしたらできるか一緒に考えよう』なのだ。

 

 

 

 

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