人間誰しも歳を取っていく。
これは当たり前の事。
ただ、組織の中で、特に会社のような利益を追求する組織の中で、
年齢の上下と待遇の高低には、本来的には何も関係ないはずである。
であれば、年が上の人間は年下の人間に対して、何かしらの優位性を持っていなければならない。
経験、人脈、知識、能力、人望…など。
ずっと同じ会社にいるのであれば、経験、人脈、知識などは、
そこで長く働くほど貯まっていくものであるから、
年次が若いスタッフに対して年長者が優位に立てる状況は出来やすいだろう。
ただ、これが転職、しかも未経験分野への転職となると話は変わってくる。
社会人10年目の転職者よりも2年目の若手の方が当然その業界や業務には通じている。
そこでどのように優位性を発揮し、結果を出し、組織に貢献していくか。
もちろん、仕事の進め方や考え方、数字の見方や資料のまとめ方、
もっと基本的な社会人としての立ち居振る舞いについては、
共通の部分も多くあり、これまでの経験と考え方を上手く組み合わせれば、
わりと早い段階から評価される動きもできるだろう。
しかし、その先に年長者とたる者として、
それだけの待遇に見合い、社歴が自分より長い若手からも納得されるようなビジネスマンであるためには、常に積み重ね、自分を高めていかなければならない。
前の立場にこだわって勝手にプライドを傷つけていたって何も生まれやしない。
不毛地帯の第1巻で、旧日本軍の中枢であり、最高頭脳である元大本営参謀・壹岐中佐が、10年を越すシベリア抑留から何とか帰還し、紆余曲折を経て、
42歳にして初めて営利企業、近畿商事(伊藤忠商事)に入社するも、
新卒入社3年目の若手から商売の事をまるでわかっていないと小馬鹿にされ、
屈辱感を感じる場面。
自分と比べるにはあまりにもスケールが違いすぎるし、
今の会社にそのような若手は1人もいないが、
この過去の自分と比較して今の自分を惨めに感じてしまう状況は、
何となく親しい感情なのではないかと思う。
では、それを克服するためにはどうすればよいのか。
そのためには、日々の勉強しか無い。
自分が今のポジションでもっと活躍するためには何が必要なのか。
昨日より少しでも前進しているのか。
そのために、少しずつでも勉強をしていかなければならない。
この1年は環境的に腰を据えて勉強する余裕が無かったが、
正直に言えば、海外駐在時代、仕事でやっていけるだけの語学力が身についた駐在3年目の頃から、勉強をし、自分を高めるという意識が薄まっていたように思う。
(そこで行き詰まっていたからの事業立ち上げだったりもしたのだが。)
あれから2年半。
サボってしまった代償は少なくないが、
ここから再スタートしたいと思う。