自身の経験を元に、不登校など挫折を経験した子供たちのための学習塾を立ち上げた安田祐輔さん。
安田さんも新卒で総合商社に入社するも、わずか半年で退職され、無職の期間を経て、キズキ共育塾を創業されています。
当時の僕は泥臭く途上国をかけずり回りたかった。
その後で、自分が何をできるのか、何をすべきなのか考えたかった。
けれども油田権益の投資でエクセルと向かい合う日々は、それらと少し離れている気がした。
それに、扱う金額が大きすぎて、若手に決定権がなかったことも、天邪鬼の僕にはつらかった。大企業に入った多くの人は、「まずは3年我慢」して、「人事部が決めた」配属先のビジネスのことをゆっくり知るように努力する。 でも、僕にはそれができなかった。普通の人が当たり前にできることなのに。
仕事が忙しかったわけでは決してない。上司からのプレッシャーもなかった。
「やりたいことができない」「自分の理想とする生き方ができない」
ただひたすら、くすぶっていた。とはいえ当時は独立する勇気もなかった。そのうちに段々と、会社に足が向かなくなっていった。
普通の人が当たり前にできることができない自分が、情けなかった。
すごくよく分かる。
安田さんという方の行動力、志、ひいては人間としてのポテンシャルに、
総合商社という器は小さすぎたのだろうと思う。