今やユニクロの実質的な創業者である柳井氏が日本で有数の経営者であることを否定する人はいないだろう。
だが、柳井氏は若い頃はかなりのダメ人間だったようだ。
学生時代は麻雀漬け、学業にも熱心では無かったどころか、
三、四年生になっても、就職のことは考えず、できれば仕事したくないな、と思っていた。
1971年3月に卒業したもののどこに就職するわけでもなく、ぶらぶらしていた。
引用元:一勝九敗 (新潮文庫)
この無気力ぶり。
しかしこんな心境ではあったものの、お父上の勧めで同年5月にジャスコ(現イオン)にコネ入社。
心機一転働くのかと思いきや、
仕事そのものが面白くなく、「こんなことしてて良いのかな」と思ったり、かといって「これをやりたい」という明確な意思もなく、
どうしても仕事を真剣にやってみようという気が起きなかった。
翌年の2月に辞めた。
結局9ヶ月でジャスコを退社。
その後も何をするでも無く半年ほどぶらぶらしていたという。
そんな彼が実家の小郡商事に入社して10数年後、日本を代表する企業を育て上げるのだ。
おそらく柳井氏がもっと生真面目な性格で、仕事をつまらないと思いながらも我慢してジャスコに居続けたとして、どうなっただろうか。
小川町物語、取材こぼれ話: ジャスコ四日市店時代の柳井正(現、ユニクロ社長) | 小川先生 〜 小川孔輔のウェブサイト
こういった記事を見る限り、自分なりの行動原理を持っていたようだが、
どう考えてもジャスコのような企業で出世するタイプではない。
おそらくうだつの上がらない一社員で終わったのではないだろうか。
人間は置かれた環境次第でポテンシャルを発揮できるか否かが大きく変わってくる極めてわかりやすい事例では無いだろうか。