前漢、武帝の時代。
敵地深く、しかも寡兵で数万の匈奴に包囲されながら、
獅子奮迅の働きで自軍の何倍もの敵を打ち取る。
しかし最後はやむなく投降した友人、李陵に対し謂れのない誹りが投げつけられる中、
ただ1人正論を以って彼を弁護したことで帝の怒りを買い、
宮刑という屈辱的な刑罰を課される。
そんな理不尽極まりない絶望の中で、自身の事業を 成し遂げるために、
屈辱に耐え、生き抜き、ついには『史記』を完成させた。
その理不尽と絶望がこれでもかと描写されている北方謙三版『史記 武帝紀 』
文庫本4巻あたり、本当に心が熱くなる。